からの続き、
7月29日午後8時から8月2日午前7時にかけて、北京市にてこの140年で最多の降水量を記録した雨雲の中心は、折しも釣行日程ドンピシャで東北地方一帯へと移っており、この日、当地の黒龍江省気象台は、集中豪雨について最も深刻なレベルの赤色警報を2度発令し、地域住民には退避指示が出ていた。
何か有って、今釣行にご尽力頂いた方々に迷惑を掛ける訳にはいかないので、当地水系管理機構関係者の方の指示を厳守し、初日は少しでも危険となれば、直ぐに避難出来る範囲での釣行とするにはしたが、この水量、濁りでは魚信どころか、気配すら感じる事は不可能だった。
至る所が氾濫、冠水しており、
雨季のアマゾン川ですら、ここまで傍若無人ではないだろう。
流石にこれではどうにもならないので、初日は早めに切り上げ、明日以降に淡い望みをかけつつ早々に就眠し、迎えた二日目早朝。
雨脚は幾分収まったが、一度氾濫した河川が直ぐに落ち着く筈もなく、半ば藁にも縋る思いで、少しでも濁りが浅いかもしれない上流を目指す事にした。
途中、雨の切れ間も有り、天候は回復しているかに思われたが、
増水も、一度入った濁りも、そう簡単に収まる筈は無く。
地元の方によると、平常時の川幅で三倍、水深で二倍近いとの事だった。
そして二日目も、文字通り泥沼で終了した。
三日目は、更に雨脚も収まって来た事と、上流域も下流とほぼ同じ状況だったので、どうせならばと本湖(ダム)へと降りてみる事にした。
元々、今釣行で一番の目的ポイントは本湖(ダム)バックウォーターだったのだが、氾濫に伴い陸路ではアプローチ不可能となっていたので、本湖(ダム)から船でアプローチ出来ないものか、岸辺に居た漁民らしき方と交渉してみたところ、
距離的にバックウォーター迄行くことは出来ないが、対岸までなら船で乗せていく事が出来るという返事を貰ったので、取り敢えず様子見に行ってみる事にした。
途中晴れ間も見えつつ、ダム岸数カ所にて数時間竿を振ってみたが、このダムに大型のフィッシュイーターが入ってる形跡は全く見つけられず、 結果としては、賽の河原の石積みであったが、その存在すらもおぼろげな未釣の大魚に出会うのは、一見不毛とも思える行為の、着実な積み重ねの結果でしか無いのであろうと、心得ているつもりだ。