中国管釣り情報〜ルアーで釣っちゃいな〜

日本にお住まいの方には殆ど知られてませんが、中国の管理釣り場は近年凄まじい勢いで発展しており、まだまだ釣り場環境面は発展途上ではありますが、魚種だけで言えば既に釣り堀天国と言われるタイ王国をも遥かに凌駕してます。このブログでは中国国内のルアーフィッシングが出来る釣堀と、ルアーで釣った魚種を中心に紹介していきます。

Nude ND-53/510 というロッド

少し前に、バリバス社のグラファイトワークスというロッドブランドとモンスターキス社のコラボ製品である、50本限定の4ピーススピニングロッド「Nude ND-53/510」のフェルールメンテナンスを頼まれた。

モデル名から察しの通り、長短二種類のTipが付属しており、長短両Tip共にソリッドカーボンで、TopガイドはLFの最小番手3-0.7であろうか。短い方のTip仕様で4ピース6ガイド/ ロッド総重量36g、長い方のTip仕様で4ピース8ガイド/ ロッド総重量37gと驚異的な軽さだ。
バリバス社のグラファイトワークスというのは、今はなき老舗ロッドメーカーufmウエダのロッドビルダーであった安達俊雄さんが、ufmウエダ解散後モーリス社(現バリバス社)に入社し、暫く後に社内でGraphite Worksをいうロッドブランドを立ち上げた様なのだが、メーカー等に関係無くufmウエダ後の安達俊雄さん作ロッドは、新境地でどの次元に達しているのか前々から非常に興味が有ったので、此れ幸いとオーナーに許可を得て弄り倒した上、テスト名目で酷使させて頂いた。

 

ロッドに記載のスペックは、[ Length:5'10"<5'3"> Lure:ZERO~3/16oz 〜一部判読不能〜 SW Finesse PE 〜#0.2 ]

 

4ピースで36gから37gという総重量を実現する為に、ガイドフットもギリギリまで削り込み、ラッピングもガイドフット下は2〜3巻程度に抑えてる様だ。

 

仕上げで目に付いた二点がある。一つにリールシートは恐らくFujiのSKSSフードボディとカットしたネジボディにDPSフードナットをカスタマイズして使用している様なのだが、SKSSフードボディ自体は変形の蒲鉾形状に対し、フロントグリップが真円形状なので接合部にギャップが出てしまっており、センシティブな実釣時には特に神経を集中する人差し指がこの段差に当たるので、結構気になりそうだ。一つにフードナットとネジボディの遊びが多くかなりガタつく、実釣時は締め込むので問題無いとしても、適合サイズのフードボディとネジボディでここまで遊びが出る事は通常考えられないので、軽量化の為にネジ山も削ってしまったのだろうかと勘ぐってしまう。

 

先週末、取り敢えず少なくとも100匹程度はやり取りしてみない事には、このロッドについて何も理解出来ないであろうと思い、一番イージーな釣り堀で一番イージーに釣れる魚を100匹釣ってみた(写真は20匹越えてから思い立ち撮り始めたので一部)。

 

ラインテンションを維持しながら、限界直前までロッドを曲げつつ自撮りするのは中々難しい。

この日掛けた魚の平均は約25cm程度。もっと見易い色のラインを巻いてくれば分かりやすかったのだが、バッドガイド〜第2〜第3チョークガイド間が恐いくらいに絞られている。このガイドシステムがATガイドの利点を活かした仕様なのか、バッドパワーに対し魚がオーバースペックだったのかは不明だが、預かり物なのでこれ以上曲げるのは避けた方が無難と判断し、ドラグを緩めた。

これ位のカーブが限界点なのであろうか。


全体的な印象として、キャスト時(ルアーウエイト2〜5g)はレギュラーテーパーで、やり取り時はパラボリックスよりのスローテーパーという不思議なロッド。また、今回手持ちでは最軽量の165gのリールを合わせたのだが、懸念していたロッドが軽過ぎる事による違和感は全く無かった、そもそもの静止時モーメント総計が恐ろしく低いのであろう。ただ、初見で思った通りとても華奢なうえ印籠+印籠+並継ぎソリッドカーボンTipという構造も相まって、相当神経質なロッドなのは間違いない。意図せず折ってしまったオーナーも少なくないのでは無いだろうか。

 

釣りはじめて50匹目位の時だったと思うが、ネジボディに接合してあったエンドグリップが外れてしまった。恐らくリールシートの構造上、ランディング時にエンドグリップ付近まで曲がり、テコの原理で負荷が掛かっていたのであろう。接着部をみると、これも軽量化のためかエポキシが極微量しか使われていなかった。徹底している。

 

せっかくエンドグリップが取れてしまったので、フードを外しネジボディの切断面を見てみたところ、意外と処理が雑で親近感を覚えた。ちなみアーバーはEVAを使っていた。


今回このロッドを弄る機会を頂き、今日まで自分自身が独自に行なっていた加工、処理も多々見られ(無論精度は雲泥の差だが)、ロッドビルドに一定の確信を持つことが出来たのが最大の収穫だった。