中国管釣り情報〜ルアーで釣っちゃいな〜

日本にお住まいの方には殆ど知られてませんが、中国の管理釣り場は近年凄まじい勢いで発展しており、まだまだ釣り場環境面は発展途上ではありますが、魚種だけで言えば既に釣り堀天国と言われるタイ王国をも遥かに凌駕してます。このブログでは中国国内のルアーフィッシングが出来る釣堀と、ルアーで釣った魚種を中心に紹介していきます。

タイ王国開拓釣行 202405_2

 

chineseareafishing.hatenablog.com

からの続き。

 

今回はこのワンタックルと、かなり小さめのプラケースに詰め込んだ十数個のルアーのみで、小物からメータークラスの魚迄一手に引き受けて貰っており、言うまでも無く帯に短し襷に長しの状況は多々遭遇するが、その足りない部分と、機動性、携行性を秤にかけると、今のところこれがベストのセットアップで、所謂ヴァーサタイルと言っても差し支えないのでは無かろうか。

何処にでも生息しているがルアーで狙って釣るとなると中々難しい、当地ではプラー・ニン(ปลานิล)と呼ばれるナイルティラピア Tilapia niloticaは、1964年に日本の皇室が食糧難解消の手助けとして当時のタイ国王に50匹寄贈し、其の50匹を1万匹まで繁殖させた後、水産試験場を通してタイ全土に放流させた事で知られるが、この生命力と繁殖力の強い外来魚によって駆逐された在来魚に思いを馳せると、その善意は送受側共に浅慮だったのではとしか思えない。

 余談だが、プラー・ニンという現地名は、この魚を寄贈した当時皇太子であった明仁親王の仁の字を音読みした「ニン」と、タイ語で魚という意味の「プラー」で「プラー・ニン」という説が有るが、タイ水産局の正式見解ではナイルティラピアの学名Tilapia niloticaの「nil」をタイ語では「ニン」と発音する事に由来するらしい。


 

 話が逸れたが、旅行者が未知のフィールドかつノープランで、そう簡単に目的の魚を釣れると思うほど楽天家ではないのだが、今回はとても久しぶりに面白い釣りをすることができた。

 タイ北部のある都市で、宿泊していた宿のオーナーから滞在中の予定を聞かれ、とある魚を釣りたいので適当に探してみる積もりですと答えたところ、宿から車で一時間程の所にある、とあるリザーバーを紹介してくれた。目指していたリザーバーが他に有るにはあったのだが、衛星写真で見る限りオカッパリでは相当厳しそうな地形だったので (今回は金を使って釣りをするのが嫌だったので、ノーガイドノーボートの自力釣行と決めていた) 、魚種の違いすらも全く興味なさそうな釣り人以外の話は十中八九与太と承知の上で、まずはそのお薦めしてくれたリザーバーへ行ってみることにした。しかし、案の定と言うべきか、そこは良い意味で期待を大きく裏切るリザーバーであった。


 日の出と共に水辺へ降りてみると、岸から約40m辺りの水面が何やら騒がしい。
そこで先ずは様子見と、一投目に重めのペンシルを遠投したところ、着水に驚いて無数の巨大魚達が低音を響かせて広範囲でボイルしたのだ、これには私の方が魚達よりもびっくりした。
 そこから魚の正体も判らぬまま、数時間手を変え品を変えあの手この手で狙い続けたのだが一向にバイトまで持ち込めない。取り敢えず落ち着こうと一旦ロッドを置き、かなりの時間魚達の行動観察していたところ、ある一定の捕食行動を繰り返していることがわかった。魚達は定期的に水面に漂う木の枝の周りに付着した藻らしき何かを啄ばんでいる様だった。
 そして、その魚とは鯰、恐らくパンガシウス科のプラー・テーパーかプラー・サワーイに見えた。水域的に在来魚とは思えないので恐らく放流魚だろうが、そこまで判れば後は難しくない。

特大サイズには出会わなかったが、釣り堀以外でこの魚を一日で二桁釣ったのは初めての事であり、久々に呑まず食わずで没頭した。

 

食わせ方は、過去に草魚でも同じパターンで連発させたことがある、草色のゾンカー。たまたまポッパーのリアフックに付けてたので、それをバラして直ぐに沈まない程度のサイズの(フロータントは持参してなかった)フックにPEで巻き直し、魚達が群れている場所までそれを飛ばせるリグを作り、魚達の後を追いドリフトコントロールで水面の小枝至近へと自然にゾンカー送り込めそうなキャストポジションをみつけ、後はひたすらキャストを繰り返すのみ。

 

 

この釣りがあまりに面白くて、当初のターゲットの事はすっかり忘れて翌日もこのリザーバーに来てしまったのだが、朝のスコールのせいなのか前日とは打って変わり捕食が皆無にちかく、有ったとしても陸っぱりでは手の出しようがない沖目だった。

 更に、開始早々に唯一のゾンカーをラインブレイクでロストしてしまい、同じ様な流し方が出来そうなな自作の蝿ルアー(フライ)に変えたのだが、やはりマッチしてなかったらしく非常に苦戦した。

ガリガリに痩せた個体が食って来た。最初何かの病気だろうかと思ったが、

口の形がプラー・テーパーともプラー・サワーイとも明らかに違うので、亜種どころか別種か奇形なのであろうか。いずれゆっくり調べてみようと思う。また、この魚もそうなのだが、2日間で掛けた十数匹の9割が口中左側にフックアップしていたのも非常に興味深く、これが魚が違和感を感じた際の反射的な反転方向習性に依るものなのか、私のフッキングの癖に依るものなのかもいずれ検証してみたい。

 

 

結局二日目は、丸一日ほぼブラインドで投げ続けたが2本のみで終わった。初日のパターンの再現性を確実な物としたかったのだが、それはまた次回にお預けとなった。